「松阪から四季 納豆の如く」



納豆職人 奥野 敦哉

「第十四章 たぬみせ 三大祭りを開催します」
「たぬみせ」とは当店納豆屋の工場敷地内の直売所のことで連載第四章にて取り上げさせていただいております。 たぬみせとは「たぬきのおみせ」という意味でコンセプトは「納豆の工場直売、地産地消とぬいぐるみのお店」です。外見もかわいく、親しみやすいイメージでキャラクターの納豆子たぬき「たぬぷ〜」も絡んで特殊なお店になっていると思います。

事実、新聞や地域情報誌、テレビ局の皆様に取材をしていただいたりしています。そのような地元紙取材インタビューの中で「直売所開設という夢がかなったわけですが、将来はどのようなことを目指しますか?」という質問に「地元に密着したイベントを打っていきたいですね。」と私は答えました。
今回はその実現した"たぬみせ流・地元密着イベント"について触れてまいります。
 イベントを行いたいと取材には答えましたがそれは、あくまで「そんなことができたらいいな」と思えるくらいの将来の夢で現実味の無い話で、なにの覚悟もなく口走っただけのものでした。
たぬみせレジ番中、お客様が途切れたとき、ふと取材記事を読み返してみて「イベント開催するなんて、大口をたたいてるワ」と自分が可笑しく思えました。が、聞こえは悪くありません。その時、イベントを開催するんだったらどのようにしようか?と思いを巡らせました。空想ですね。シュミレーションといいましょうか。空想するのは費用がかかりませんから楽しいひとときです。

 ウチがイベントを企画するのですから、やるからには楽しいものにしたいし、仲間と一緒に肩肘張らず地元密着型でいきたいなと思いました。
そう、イベントを行いたい気持ちはいくつかの動機があって生まれていることなのですが、思い返してみて一番大きな動機は「素晴らしい仲間たちとの出会い」でした。
しっかりとしたものを地元素材で地域おこしを行うが如く生産し販売をされる皆様、その地域特産品をPRできる機会を増やしたい。自分が主催者ということであれば良いのではないか(つまり自分の考えそのままで企画が出来る)と思いました。
実際、その時考えたルール〈参加料とか、出店費とか、売り上げ手数料とかはいただきません。頑張った売り上げはそのまま持ち帰っていただきます。ただ、出店する生産者はこちらが選定させていただきます。〉を実行しております。

それは真摯に地産地消活動と向き合っている方と一緒に仕事をしたい考えがあり、地産地消のコンセプトを持つたぬみせに賛同してくださる皆様と仕事をすることでとても前向きで刺激的な状況になるのです。

たぬみせ(イベント時)
さて話は戻って、空想ですが、イベント会場はどうするのか?離れたところでする?
否、この「たぬみせ」と納豆工場でやらなければウチが開催する意味が無い。この場所から情報発信だ!

それも工場休みの曜日なら従業員の車も無く、駐車場をそのまま会場に使えるのではないか。
次に、イベントを一緒に出店してくれる仲間はいるか?いる!それもあの人とあの人と・・・・・地産地消活動に参加をしてきてよかった!
皆さん趣旨を説明したら協力してくださるにちがいない。あとは自分が本気になるかならないかだけです。

 空想から現実へ戻り、もう後戻りできないように、色々な方に開催宣言をすることにいたしました。
曰く、「イベントを行う・イベント呼び名はフェアでもキャンペーンでもなく"祭り"・年に3回開催する・それを"たぬみせ三大祭り"ということにする。」もう、前進あるのみです。

 たぬみせ三大まつりというくらいですから1年間に3つの祭りをおこなうのですから、日程とタイトル内容を大まかに決めなければなりません。
日程ですが、年間均等に分散して配置するのではなく、ウチにとって重要な意味を持つ日に開催したいと思いました。考えた結果が「たぬき祭り」「誕生祭〜納豆の日week」「納豆ばあちゃん祭り」です。
日程は、たぬき祭りは5月29日、誕生祭〜納豆の日weekは7月2日〜10日、納豆ばあちゃん祭りは9月3日です。

では、そのいわれを説明していきましょう。
たぬぷ〜店長
@ たぬき祭り(5月29日)
この日は前社長である亡き父の誕生日でした。
それが何ゆえ、たぬき祭りとなるのか?それは・・・父が生前コレクションをしていたのが「タヌキグッズ」。
仕事以外これといって趣味を持たなかった父が、なぜかタヌキだけはコレクションをしていました。応接間にはタヌキ置物や信楽焼き、タヌキストラップやキーホルダーなど50点近くが展示してあります。
そのタヌキ、いや、父から由来して「たぬみせ」となったのです。
公式キャラクターもタヌキで「たぬぷ〜店長」と父から、たぬき道へ踏み込んでおります。それがゆえに「たぬき祭り」。イベント名のイメージも楽しそうで、わたしもたぬき大好きで自分自身、気を張り詰めないで、そして枠にとらわれないで企画を考えられるかなとスタートとしては最高でないかと感じました。

たぬき祭り風景
A 誕生祭〜納豆の日week(7月2日〜10日)
この祭りは、平成16年の7月2日がたぬみせの開店日でしたので毎年この7月2日を「誕生祭」、また、7月10日が7と10で「納豆の日」として納豆業界では「目指せ土用丑の日」というようにPR活動に力を入れています。

この2つの特別な日を結ぶ1週間を誕生祭〜納豆の日week、通称「納豆祭り」として3つの祭りの中で一番大きなイベント規模になるようにと考えます。

B 納豆ばあちゃん祭り(9月3日)
3つ目の祭りのこの日、9月3日は祖母さかゑの誕生日です。
やはり、創業者を讃える日があっても良いのではないかと思い、この日を祭りにすることにいたしました。
内容はまだ考えておりませんが、やさしいお祭りにできればと思っております。

開催は来年(平成17年)の5月29日から。
この覚悟を決めた時点は、たぬみせOPENから落ち着いた平成16年8月中旬です。
開催までまだ時間もありましたのでイベント内容(開催方法やPRの仕方も)をじっくり一つずつ考えていこうと思ったのです。

次回はその三大祭りの内容にせまります、お楽しみに〜。


納豆祭りの新聞折込チラシ

 

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